あとがき-『日本国 デフォルト』2011年08月25日 09時03分

ここでの議論もいわゆる破綻本での議論の範疇に入ると思われるのだろうが、世の中には破綻本を書く奴は日本経済の足を引っ張る悪者と揶揄する向きもあることが分かってきた

ここでの議論もいわゆる破綻本での議論の範疇に入ると思われるのだろうが、世の中には破綻本を書く奴は日本経済の足を引っ張る悪者と揶揄する向きもあることが分かってきた。しかし、最近では藤巻健史さんまでが、『日本破綻』と言う本を書かれた。ばらまきを止めて、孫・子に「負の遺産」を残してはいけないと説いている。まさにその通りだ。

やはり反破綻論者の言い分にも耳を傾けるべきだ。そうすると、自分の言い分の独りよがりな面を気づかせてくれる。

 

地球温暖化に対してのCO悪玉説とそれに反対する説の対立の構図に似ている。地球温暖化に対してCOは関係ないと言う意見も増えてきた。電力会社とNHKは、いまだに悪玉説のようだが、新聞社は中立の立場が多いようだ。特に筆者が購読している読売新聞は、公平な扱いをしている。ただ政治の世界では、現在でも地球温暖化はCO原因説一辺倒だ。少しでも疑問に思う政治家はいないのか。

 

筆者だって好き好んで破綻に追い込みたいわけではないのだ。何とかして破綻せずに済む方法はないかと思案しているのだ。もちろん、財務省も破綻しないよう真剣に考えているはずだ。官僚は非常に優秀である。彼らの成果を認めず、バッシングだけしても何も解決はしない。ちなみに筆者は官僚ではない。しかし政治家が、そして政治家を選ぶ国民が、ほとんどこのことを問題として考えていないか、又は考える余裕がない状況だ。そんな状況を少しでも改善していければと思ってこれを書いている。

 

1年ごとに首相が替わっていては、外国から不審がられるだけでなく、重要案件が滞ってしまう。特に消費税率アップのような痛みを伴う施策は、なおさらだと思う。慎重さとスピードのバランスをうまく取って、この難局を乗り切ってほしいと切に願う。

 

2010年11月、NHKスペシャル

「借金はこうして膨らんだ」で、国と地方の借金残高862兆円(平成22年度末)が1秒間に130万円ずつ増えていくショッキングな映像を流した。過去の財務省(旧大蔵省)事務次官のインタビューや資料などで、なぜこのように借金が増えたか、わかり易く解説していた。放送がされた当時は、映像はとても刺激的で視聴者のほとんどが大変だと思うのだろうが、人間は忘れやすい。常に啓蒙が必要である。

 

筆者はNHKの回し者ではないが、NHKスペシャルには、すぐれた作品が多い。リーマン・ショックのはるか以前、記憶に自信は無いが2005年頃か、アメリカで住宅ローンが返済できず住宅の差し押さえが急増しているという番組がNHKで放送された。 バブルが弾け、不景気になるとの予想に反しアメリカの景気は長続きをし、違和感を覚えていた。その原因がサブプライムローンにあることが、後日分かって納得をしたものだ。リーマン・ショックの後遺症に震源地のアメリカでなくヨーロッパが苦しんでいるのと対照的に、アメリカの景気が回復してきたことに今は違和感を覚えている。