自動車部品会社の悲哀2012年06月11日 16時55分

昨日のNHKスペシャル「激動トヨタピラミッド」を見て思ったのだが、 日本の電機業界は国際競争力を失ってしまったので、世界と伍していける業界は、自動車、機械(精密と産業)、素材ぐらいになってしまった。

そのうちの一つ、自動車産業といえども国内は赤字で、外国で勝負しないといけない。特に、これからは新興国でのビジネスが大事だが、円高であるのと現地メーカーの安い製品と勝負する為には、現地生産に踏み込まないといけない状況だ。

そんなわけで、自動車メーカーはインド、タイ、インドネシア、ブラジルなどに進出し、工場を作ってきたわけだが、自動車は部品点数が約3万点と多く、下請けメーカーの協力が必須である。1次下請けは大企業が多いので海外進出が可能だが、昨日の放送では2次下請け以下の中小企業の苦悩がテーマだった。

自動車そのものの国内生産が減少してきているので、下請けメーカーも新興国での現地生産にシフトしていかないと仕事がなくなってしまう。 しかし問題なのは、自動車メーカーはいかに国内での取引実績があろうとも、海外では現地メーカー製の安い部品を使いたいので、部品メーカーが海外進出しても必ずしも自動車メーカーと取引できる保証は無いことである。
自動車部品メーカーは新興国の現地部品メーカーと品質と価格の競争をしなければならないのだ。特に、価格での競争が厳しい。

これを見て思ったのだが、2次下請け以下のメーカーでは倒産する企業もどんどん出てきそうだ。実際、3次下請けメーカーで廃業する企業が紹介されていた。
下請けはもう懲り懲りだと言う。
どんなに辛くても下請けとして頑張るか、それとも自ら直接顧客に販売できる製品を新規開発するかを問われている。新規開発といっても大変なことだ。うまくいく保証は無い。

自動車産業以外に目を転じると、現在でも非常に海外に対して強い素材メーカーも果たしてこの先、生き残れるのだろうか。私は大丈夫だと楽観的だ。
素材メーカーは先端技術に強いので特許で守っていけばよい。
自動車メーカーもハイブリッドなどは先端技術で守れるが、旧来のガソリンエンジン車では、そうもいかないであろう。特に電気自動車は、部品を買ってくれば誰でも作れてしまう。ITS(高度道路交通システム)などは新興国ではまだ要らない。

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