NHKスペシャル「原発事故調 最終報告」を見て2012年07月25日 11時24分

昨日のNHKスペシャル「原発事故調 最終報告」を見た。
政府事故調の最終報告を受け、3つの事故調の委員長らが出席した。
出席者は、
政府事故調:畑村洋太郎委員長、柳田邦男委員
国会事故調:黒川清委員長
民間事故調:北澤宏一委員長

1つ目のテーマは、事故を防げなかった元凶は?
作業員が非常用復水器の作動原理を知らなかった、間違って冷却装置を止めてしまった等、ありえないような無知・準備不足で時間があったにもかかわらず、3基もの原子炉をメルトダウンさせてしまった。
人災、「安全神話」、「規制の虜」などいろんな問題点が以前から挙げられているが、個人の作業員だけの問題ではなく、東電の組織として問題があると思う。

その中で、今まであまり問題になっていない使用済み核燃料プールが問題である。使用済みと言っても高熱で放射能も多く出ている。建屋が吹っ飛び、水が蒸発してしまうと、直接核燃料棒が露出して、大量の放射能が拡散することになる。これらを知っている人が少ない。

2つ目は、避難の際の混乱。
備えの欠如や、避難すべき空間線量レベルが決まっていなかったのが問題で、それが原因で避難に時間(約1か月)がかかった人もいて、その間比較的高い放射能を浴びることになってしまった。

それと、地震・津波対策、非常用電源対策、避難対応などに見直しの機会があったにもかかわらず、全てが先送りされた。規制側の原子力安全委員会が東電に対して、「30分以上の電源喪失は考えなくてもいい理由を作文してくれ」と完全な「なれあい」が、規制する側とされる側にあり、機能不全に陥っていた。
このなれあいは、保安院にも言える。