がんは放置したほうがいい?2013年05月18日 07時46分

図書館でたまたま、『がん放置療法のすすめ』(近藤誠著、文藝春秋)という過激なタイトルを見て読んでみたが、なるほどと思った。

元々37年以上にわたり医者(内科・外科)にかかったことがない僕だけに、この本の内容に強く感動した。
ここ数年は健康診断すら受けていない。
50代半ばともなると、検査すれば必ずどこかに怪しげなデータが出て再検査となるが、それがイヤなのだ。
ほっといてくれって(笑)

さて、この本の内容を簡単に説明すると、近藤先生の患者150人の証言と先生のコメントで構成されていて、生の話なのである。
癌にも「本物のがん」と近藤先生が言う「がんもどき」があって、本物はできてすぐに転移可能なので、初期がんでも転移の可能性があり、最初の部位を取り除いても、再発するおそれがある。

一方、「もどき」は大きくなるかもしれないが、転移しないので、普通の生活が可能ならば、放置しても大丈夫なのだそうだ。ただ大きくなると他の臓器を傷めたり、痛みが激しくなったりするので、そうなって初めて手術や放射線治療をする。

要はどちらの場合でも、あわてて手術で取ったり、放射線治療をしたりしなくてもいい。だから「放置療法」なのである。

不要な手術や放射線治療をして、人工肛門や集便袋を着ける、「もどき」なのに子宮や乳房を全部切除される悲しい事例が数多く散見される。
こうした医者に看てもらうと、一生辛い思いをして、放置するよりも短命化する。

ただ一部にお金儲けのために過剰な治療・投薬をする悪徳医もいるだろうが、多くの医者は患者を何とかしたいと思っているはず。

この近藤先生、最近よく見る名前と思い、市立図書館の蔵書検索をかけたら、有名な方ではないか?

最近だと、
『「余命3カ月」のウソ (ベストセラーズ)』13.4.9発売
『「医者に殺されない47の心得(アスコム)』12.12.13発売

他にも多くの著作があるが、どれも刺激的なタイトルだ。
アスコムの本は図書館の予約が30件以上あって、3冊の蔵書があるものの下手すると1年近く待たされる。
近藤先生に感謝の気持ちを込めて、アマゾンでさっそく注文した。
良い本には図書館で読むだけでなく、印税でお返ししないといけない。

最後に天邪鬼らしい僕の疑問は、本物のがんで転移した箇所すべてを手術や放射線治療で完治させた割合がこの本には載っていないようなので、もしその割合がかなり高いとなると、ちょっと事情が変ってくる。

その場合、やはり手術や放射線も効果があると言えるし、放置してはいけないのだろう。
その点、素人には分からないので、近藤先生は無理だと思うが、どなたかコメントをお願いします。

追記として、母が自分と同じ年代にガンで亡くなっているので、こうした本には非常に興味がある。
今のところ、何の病気も無く生きているので、今後ガンが見つかっても、治療をしなければ3年は生きられる。すると赤いチャンチャンコは着られそうだ。 母も過剰な治療で早く亡くなったかもしれない。当時、こうした本に出会っていれば、少し結果が変ったかもしれない。