「震災ビッグデータ」と「津波てんでんこ」2013年03月11日 10時32分

少し古い話題で恐縮ですが、3日(日曜)のNHKスペシャル「震災ビッグデータ」には正直驚かされた。
2年前の今日、東日本大震災がおこり、福島第一原発がメルトダウンするきっかけとなった日だけにこのところ各放送局では、追悼番組が特集されている。

そんな中でも、異色の番組であった。
携帯電話やカーナビのGPSデータから当日津波に浸食された地域での人々の動きが鮮明に描き出された。
こうした大量のデータを今後の災害救助・避難に生かせればいいと思う。

津波に飲み込まれる地域にとどまる人、逃げ出す人、そして一度近づいては離れていく人。最後は、家族らを助けるために命をかけて「ピックアップ行動」をとった人である。

「津波てんでんこ」という言葉がある。
これは「てんでんばらばらに高台に逃げろ」を表していて、家族を助けなくてもいいという救いの言葉である。
要は家族を助けない自分を責める必要は無い。
逃げられる人は自分で逃げているから大丈夫ということだと思う。

ただ、先ほどのピックアップ行動をとった人を誰が責められようか。

阪神・淡路大震災から18年目、因縁を考える2013年01月17日 11時17分

今日1月17日は、阪神・淡路大震災から18年目(1995年(平成7年))になりますが、今朝も5時46分に黙とうが行われた。
「46分」と言うと、東日本大震災が起きたのが、おととし3月11日の14時46分で、何か因縁めいたものを感じてしまう。

もちろん「46分」は偶然ではあろうが、大地震が発生する季節や時間には何か特異な共通性があるのか調べてみた。webサイトで調べると、発生した時間(46分)や日にち(1並び)の共通性を話題にするものは多い。

関東大震災(M7.9):1923年9月1日11時58分
安政江戸地震(M6.9~M7.4と推定):1855年11月11日午後10時頃
宝永大地震(M8.4~M8.7と推定):1707年10月28日14時前
元禄関東地震(M7.9~M8.2と推定):1703年12月31日午前2時頃

安政江戸地震の1年前には、12月23日に安政東海地震、12月24日に安政南海地震と連動した大地震が起きている。

こうして見てみると、関東大震災を除き時間はバラバラだが、おおかた寒い時期に起きている。
しかしもっと過去には、春から秋にかけても大地震は発生している。
地震の震源は地下何十キロと深いので、地表の寒さが影響することもないと思われるが、用心するにこしたことはない。
というのも、寒い時期は避難生活も大変で、命にもかかわるから、日頃からの用心が大切だと思う。
さらに、冬季には乾燥しているので、大火事も心配である。
(参考:ウィキペディア)

M8以上
十勝沖地震:2003年9月26日
北海道東方沖地震:1994年10月4日
昭和東南海地震:1944年12月7日(M7.9)
喜界島地震:1911年6月15日
濃尾地震:1891年10月28日

福島原発・国会事故調の報告書を読んで2012年09月16日 17時28分

11日、福島第一原発・国会事故調の報告書が一般発売され、Amazonに予約をいれていたので、僕の元にも届いた。
頁数が600頁弱なので、まだ一部分しか読んでいないが、新しく知った事実を中心にしてまとめてみる。

まず、SPEEDIによる放射性物質の拡散状況を表すマップについては、大きな誤解があったことが分かった。

比較的放射性物質の拡散が多かった飯館村や南相馬市などの地域に間違って避難させられたという批判があるが、避難時点でのSPEEDIのデータでは分からなかったのである。その時点での拡散状況を示すマップでは、海の方に向かって、拡散地域が拡がっていた。

恐らく僕も含めて皆さんが見たマップは、実際の放射線データから逆算してSPEEDIに演算させたマップなので、当然、飯館や南相馬は、線量が高くなっている。
現実の放射線データは、かなり前から分かっていたのに、その後の計画的避難区域の発表がさらに1か月後と、極めて遅くなったことは非難されて当然だろう。

それと、特に病院に入院されていて、避難の途中で亡くなられた方が多かったことは、少し前のNHKの番組でも取り上げられていたが、第一原発から数キロにある双葉病院では、40人(3月末)もの方が亡くなられた。避難のありかたを十分に詰めておく必要がある。受け入れ準備ができていないのに急いで避難すべきであったのか。

今更、報告書を読んだからと言って、被害が少なくなるわけでもないと言われれば、その通りだけれども、多くの示唆が含まれ、600頁もある報告書が1680円で手に入るので、皆さんも一度読んでみたらいいと思う。

昨日の総理会見2012年06月09日 16時15分

昨日の総理会見を見た。
大飯原発3、4号機の再起動に対する決意表明であった。

これ自身、総理が直接国民へ説明することは非常に良いことだと思うし、安全がしっかりと確認され、地元の理解を得られたなら原発稼働に反対するものでもない。

しかし、いつも思うのだが、どうして安全なのかを分かりやすく国民に説明してほしい。 全交流電源が喪失しても、非常用発電機を何台、どの高さに設置し、また管理体制をどう強化したかを説明してほしい。地震対策はこう、津波対策はこうと、具体的に。
だから福島のような地震・津波が襲っても大丈夫だという説明をしてほしかった。

もちろん、その説明は総理に求めるのではなく、細野原発相や保安院長などの専門的な話を理解している人に求めるのだが、30分程度で良いので誰にでも分かるように簡潔に教えてほしい。
個人で調べれば分かるかもしれないが、せっかく国民がテレビの前に集まっているのだから、その場を借りて説明してくれれば世話がないと思うのだが。

そんなもの聞いても分からないとか、暇じゃないと言う人には、原発停止を求める権利は無い。他人に権利を要求するには、それ相応の努力とか義務を果たすべきだと思う。

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大飯原発3、4号機の再稼動について2012年05月15日 20時56分

私は元々、安全確認さえきちんと実施できれば、原発の再稼動には賛成だったが、原子力関係者の安全に関するいい加減さを知るにつけ、稼動させない方がいいと思うようになった。
安全を追求するのは面倒だしお金にならないので、「安全神話」にあぐらをかいてきたのが真実だろう。いくら言い訳をしたって、現実に起きたことを否定するわけにもいかない。

ただ、真に(100%絶対ということはないが)安全で、かつ地元が稼動を認めたなら、遠く離れたところに住む私が、とやかく言う筋の話でもない。もちろん、ひとたび原発事故が起きれば、遠く離れていても食べ物などを介して影響を受けることはあるにしても。

関西電力の大飯原発3、4号機については、福井県おおい町議会が再稼動を認める決定を町長に伝えた。
住民を代表する議会でOKが出たので、あとは本当に安全なのかだが、政府が決めた判断基準は次の3点である。

1.全電源喪失時にも過酷事故に至らない対策の実施
2.ストレステスト
3.さらなる安全対策となる中長期計画の提出

1は内容的には当然だが、電源車や消防車の配置などすでに全原発で実施済み。しかし、原発の立地、建屋や非常用電源、電源盤などの配置(高さも)や接続方法などのデータを入手できれば自分で判断したい。
2については、一次評価については全国のうち大飯原発3・4号機のみ完了している。
3については、免震事務等などの対策拠点を2015年度までに建設し、2013年度までに防波堤を海抜5メートルから8メートルにかさあげするなど計画済みである。ただ、8メートルでいいのかは不明。

残る課題は原子力規制庁の発足、ストレステストの二次評価と京都、滋賀など周辺自治体の了解だが、なんとかなるのではないかと思う。

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『福島原発事故 独立検証委員会』を読んで2012年05月14日 17時09分

昨日、いわゆる民間事故調(北澤宏一委員長)が福島第一原発事故に関してまとめた報告書『福島原発事故 独立検証委員会』(㈱ディスカヴァー・トゥエンティワン 3月11日発行)をようやく入手して、半日ほどかけて読んだ報告をします。

事故調の報告に関しては非常に関心があり、4月5日のブログでも取り上げた。

他にも事故調はいくつもあるが、民間事故調は誰に気兼ねすることも無く、事故の原因と責任の所在を明確にできる点で期待を掛けていた。
菅前総理のやり方から始まり、姿の見えない保安院、信頼できない斑目原子力安全委員長に対して、痛烈な批判を展開している点は納得できた。

原子力安全委員会の最大の責任は、1990年策定の「長時間にわたるSBO(全交流電源喪失)は送電線の復旧または非常用交流電源設備の修復が期待できるので、考慮する必要はない」と言い切ってしまった点である。ここまで言い切るのにどれだけの検討時間をかけたのだろうか?

さらに、福島でシビアな事故に至った原因の一つとして、1号機のIC(非常用復水機)がフェイルセーフで動作停止していることに気がつくのが遅れてしまい、その後の有効な対策に移れずに水素爆発させてしまったことである。この後、すべてが「後手後手」に回ってしまい、3号機、4号機の水素爆発へとつながった。

7頁に日本社会の「空気を読む」気性にからめて、「リスクの高い大型で複雑な技術を運営する資格はありません」と、日本社会には原発は無理だと宣言したことは重要である。空気を読んでいる暇があったら、一人でも正しい道を進むような気概を持った体質でないと、原子力は扱えませんということだ。

今回うまく機能しなかった原子力安全委員会と保安院をなくし、原子力規制庁を創設するのはいいが、それも出来ないうちに原発の再稼動にゴーサインは出せないでしょう。

単に新しく組織を作ったことで、もういいと終わりにしないで、すべての始まりと考えて真に機能する組織としてほしい。

他の事故調の報告書が出たら、また報告します。

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福島原発事故調(続き)2012年04月05日 16時42分

昨日からの続きで、残りの事故調です。

国会事故調は、「責任の所在を明らかにする」と意気込んでいるが、どうなるか。
SPEEDIのデータを国内公表より早く3月14日に米軍に提供していたと発表。
有識者による調査機関が国会に置かれるのは現行憲法下で初めてで、会合は原則公開(事故調のホームページには一般傍聴の申し込み方法も記載)する。
今年6月を目標に報告予定。

民間事故調は「官邸の現場介入が事故対応に無用の混乱をもたらした」と指摘、報告書を英訳して世界に発信する予定。
政府の事故調では未聴取だった事故当時の菅直人首相をはじめ、日米政府関係者らへヒアリング。

以上、それぞれに特色があり、競い合うのは良いことだが、真相にどこまで迫れるのか。おざなりな報告書を作成することだけは、止めにしよう。
国会事故調には、国会議員でつくる衆参両院合同協議会に国政調査権の発動を要請できる。政治家や東京電力の関係者などを国会で証人喚問し、発言内容によって偽証罪に問うことや、省庁などに情報開示を強制的に迫ることも可能で、期待したい。

福島原発事故調は少なくとも6つ?2012年04月04日 21時09分

東京電力福島第一原発事故の調査委員会は大きく3つある。
1.政府の事故調査・検証委員会(畑村洋太郎委員長、東大名誉教授)-設置昨年6月
2.国会事故調(黒川清委員長、元日本学術会議会長)-設置昨年12月
3.民間事故調(北沢宏一委員長、前科学技術振興機構理事長)
ただ、他にも3つあり、全部で6つもある。
今後、最終報告が出されるが、その前にまとめておこうと思う。

まずは、政府の事故調は昨年12月に中間報告を発表、その内容をまとめてみると、
・被害を拡大した要因は、東電運転員らの操作不手際と官邸の指揮系統の乱れを指摘。「SPEEDI」を活用していれば、より適切な避難経路を選べたと批判した。
・「とにかく逃げよ」と言っているだけだと、政府の避難指示の出し方を激しく非難した。
・東電は地震・津波による被害を「想定外」としたが、それを批判。しかし、「個人の責任追及はしない」方針。
今年6月に最終報告予定。

他の事故調については、明日以降。

暴風雨で1994年以来、初雨漏り2012年04月03日 20時32分

外は暴風雨、このところ日本列島は暴風列島と化している。
1階和室に入ったとき、いやに寒いなと感じた。
どこか隙間でも開いているのかと窓の手前の襖をあけたら、雨水が垂れている。
それも1メートル位に渡って、あちこちから。
窓のサッシと木枠の間から垂れている。

1994年に我が家を建てて初めての雨漏りである。
恐らく、昨年の大震災で震度5強に見舞われたときにひびでも入ったのだろう。
そこへ、今日の横殴りの雨。

さっそく日頃から溜め込んでいる空き缶を持ち寄り、床に置いた。
修繕しないといけないだろうなー。

福島原発事故調のレポートをまとめ上げていたが、雨漏りで急遽、このブログに差し替えた。
事故調は、明日以降にレポートします。

[花粉情報]
先週末、埼玉県は「非常に多い」が続いたが、木曜日の朝に薬を飲んで以降は飲まずにいた。
土曜日の朝、新聞を読んでいたら、鼻水が止まらなくなり薬を飲む。
それで何とか、土日はしのげた。月曜日になると、さすがに鼻水が出始めたが、薬を飲まずに我慢。しかし、今日・火曜日には、鼻水が止まらなくなり、先程薬を飲む。

原発事故の国会事故調査委員会で2012年02月16日 22時56分

昨日行われた、福島第一原発事故の国会事故調査委員会に出席した原子力安全・保安院の寺坂前院長の発言には呆れてしまった

 

昨日行われた、福島第一原発事故の国会事故調査委員会に出席した原子力安全・保安院の寺坂前院長の発言には呆れてしまった。

 

事故直後に、なぜ官邸を離れてしまったのかの質問に、「自分は事務系で、技術がわかる者を残した」と答弁した。

 

それならば、私だって原子力安全・保安院の院長ができそうである。私なら給料や退職金も半分でもよいし、もちろん天下りもしない。

 

さらに、原子力安全委員会の斑目委員長である。もうこの人が何を言っても驚かないが、あいかわらず他人のせいにしている。

 

寺坂氏は院長から降りているが、この人はまだ原子力安全委員長である。