福島原発・国会事故調の報告書を読んで2012年09月16日 17時28分

11日、福島第一原発・国会事故調の報告書が一般発売され、Amazonに予約をいれていたので、僕の元にも届いた。
頁数が600頁弱なので、まだ一部分しか読んでいないが、新しく知った事実を中心にしてまとめてみる。

まず、SPEEDIによる放射性物質の拡散状況を表すマップについては、大きな誤解があったことが分かった。

比較的放射性物質の拡散が多かった飯館村や南相馬市などの地域に間違って避難させられたという批判があるが、避難時点でのSPEEDIのデータでは分からなかったのである。その時点での拡散状況を示すマップでは、海の方に向かって、拡散地域が拡がっていた。

恐らく僕も含めて皆さんが見たマップは、実際の放射線データから逆算してSPEEDIに演算させたマップなので、当然、飯館や南相馬は、線量が高くなっている。
現実の放射線データは、かなり前から分かっていたのに、その後の計画的避難区域の発表がさらに1か月後と、極めて遅くなったことは非難されて当然だろう。

それと、特に病院に入院されていて、避難の途中で亡くなられた方が多かったことは、少し前のNHKの番組でも取り上げられていたが、第一原発から数キロにある双葉病院では、40人(3月末)もの方が亡くなられた。避難のありかたを十分に詰めておく必要がある。受け入れ準備ができていないのに急いで避難すべきであったのか。

今更、報告書を読んだからと言って、被害が少なくなるわけでもないと言われれば、その通りだけれども、多くの示唆が含まれ、600頁もある報告書が1680円で手に入るので、皆さんも一度読んでみたらいいと思う。

コメント

_ Ayakikki ― 2012/09/17 06:51

初めてコメント致します。
SPEEDI の予測データの件ですが、とても重要なご指摘だと
感じました。
そもそも、SPEEDI の予測を公開しなかった事が、情報隠蔽
の如く批判の的にされていましたが、元々データの信頼性に
問題があったため、公表しなかったのが真実です。
事後的にデータの辻褄が合わせられましたが、勿論その時
には避難の役に立たないのは当然です。
今だに「誤解された真実」は沢山あると感じます。
「無知ゆえに脱原発へ」の現状が、とても不幸だと想います。

_ 政経ネット ― 2012/09/17 17:28

_ Ayakikkiさん、こんにちは。マスコミの報道にも間違っていたり、わざと煽ったりすることもあるので、鵜呑みにするのは危険ですね。僕はフェアであることを大事にしているので、自分も間違えることもありますが、気づいたらコメント欄などで訂正しています。

_ How do you stretch your Achilles? ― 2017/09/01 15:04

Everything is very open with a really clear description of the issues.
It was truly informative. Your site is useful. Thank you for sharing!

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://seikei-net.asablo.jp/blog/2012/09/16/6575339/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。