笹子トンネル崩落事故は防げたはず!2013年02月01日 10時43分

中央道・笹子トンネル天井崩落事故以降、老朽化した設備点検の必要性が叫ばれている。
それはいいとしても、必ず言われるのが「予算が無いから」という言い訳である。「無い袖はふれない」のだろうが、果たしてそんなことでいいのか。

確かに、笹子トンネルのように天井を留めているボルトを直接検査するには、4千メートル超に渡って、高さ5メートルの足場を組まなければならないので、莫大な費用と日数がかかる。

しかし、数え切れないほどの不良が見つかり、中には簡単に手で抜けてしまうボルトが見つかるにつけ、もっと簡略化した検査でもやっておけば、9名も死者が出なくても済んだだろうに。

梯子のようなもので数箇所チェックするだけでも不良が見つかったはずだ。
それだったら、2~3人で1日あれば簡単に検査ができて不良が見つかり、対策しておけば大事故が防げた。

足場を組んで完璧に検査するのを「1」レベル、笹子トンネルのように5メートル下から目視をするといった実際ほとんど何も検査しないのと同様な検査を「0」レベルとすると、梯子を使って数箇所検査するだけでも費用対効果からすれば、大きな価値がある。
要はやり方しだいで、「0.1」レベルでも抜群の効果がある。

福島第一原発事故の時も思ったのだが、完璧な「1」レベルの対策ではなく、「0.1」レベルの対策でもやっておけば、ずいぶん違った結末になっただろう。
安全神話を作り上げてしまい、安全対策を「0」にしてしまったから問題なのである。