日銀がついにインフレ・ターゲット 泥沼に入り込むか ― 2012年02月15日 10時23分
とうとう日銀が明確な「インフレ・ターゲット」に舵を切った。
13、14日に行われた日銀の金融政策決定会合で、物価上昇の目標を「1%」と明確に設定した。以前にもそれらしき目安はあったが、分かりにくいとの批判にさらされていた。
物価上昇率を明確に目標とすることで物価が上昇し、会社が儲かり、賃金が上昇してデフレに終止符を打とうとの目論見である。
しかし、そううまくいくだろうか。第一、物価が上昇してから賃金が上がるまで時間差があるので、常に支出超になってしまう。
それと、インフレの制御に失敗すると、長期金利が上昇していく。1000兆円もの国債残高があるので、新規に発行する国債から適用されるのですぐにはならないが、1%の金利上昇で10兆円の負担増にいずれはなる。
今回の措置で短期的な動きは、こうなる。
株式:上昇する
為替:円安
債券:売られる(長期金利上昇)
ただ、長期的にはどうだろうか。デフレの原因は人口減だったり、バブルの崩壊だったり、構造的な問題なので、一朝一夕には変わらない。短期的なアナウンス効果で終わるのではないか。今は誰がやってもデフレの退治はできない。バブルやハイパーインフレなどの副作用とデフレのどっちがいいですか?
物が安く買えるデフレの方がいいですよね。
エコノミストや政治家は「デフレをどうにかしないといけない」とさえ言っていれば、カッコ付くので、気にすることは無い。
ちょっと不景気になると、職や住処がなくなる人の手当てさえすればいいのであって、正社員の給料が少し減らされることぐらい、仕事があるだけありがたいと思うべきである。デフレを退治するために、膨大なお金を無駄なところに流すくらいなら、職や住処が無くなる人を手当てするのにどれだけの費用がかかるというのか。
コメント
_ 奔放な旅人 ― 2012/02/15 11:11
_ BHW ― 2017/04/13 20:55
_ manicure ― 2017/05/03 15:37
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://seikei-net.asablo.jp/blog/2012/02/15/6336019/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
単に日銀も「動いた」と言う既成事実作りにしか映りません。
経済界はもっと中小企業や町工場と言われる極小企業に目を向けるべきでしょう。
彼らの職人技術が無ければ大企業も胡座はかけないはず。
政府と日銀、そして大企業だけでどうにかしようとする事がまず間違っている。