ネバダレポートと第1章のまとめ2011年08月14日 14時06分

ネバダレポート

ネバダレポート

 

 この章の最後に、2001年にIMFにより検討されたネバダレポートについても触れておこう。ネバダレポートというのは、債務が雪だるま式に増えていく日本の現状を踏まえて、IMFがシミュレーションを行ったとされていて、国会で2002年2月14日の衆院予算委員会でも取り上げられた。

 

内容は次の通りである。

1.公務員の総数、給料は30%以上カット。ボーナスは例外なく全額カット。
2.公務員の退職金は一切認めない。
3.年金は一律30%カット。
4.国債の利払いは5~10年間、一時停止。
5.消費税を15%引き上げて20%にする。
6.課税最低額を引き下げ、年収100万円以上から徴税。
7.資産税を導入し、不動産に対しては公示価格の5%を課税。債券、社債は5~15%を課税。株式は取得金額の1%課税。
8.預金は一律ペイオフを実施すると共に、第2段階として預金の30%~40%をカットする。
 どうだろうか。

実際の日本は何となくネバダレポートに沿った方向に進んでいるような感じもするが、項目1や2は、公務員の相当な反発にあい、実現するのだろうかと思ってしまう。

 

2010年10月にIMFの世界金融安定報告書は、「ユーロ圏の(財政問題による)混乱が起きて以降、国内も海外の投資家も、より疑いの目で日本の財政状況を再審査している」として警鐘を鳴らしている。

 

第1章のまとめ

 

 国家が破綻してIMFの管理下に入ると、銀行などの倒産、収入の減少、増税、外資による買収など生活レベルの低下や負担の増大は免れないと思われる。日本のように外国からの債務で破綻する訳では無い場合に、IMFに建て直しを要請するかどうか分からない点もあるが、IMFの作成したネバダレポートに近い扱いを受ける覚悟は必要だ。

 

 

 

私の日本株投資術2011年08月14日 20時41分

『日本国 デフォルト』の「プロローグ」と「第1章」の公開が終了したので、私の日本株投資術なるものを書きたいと思う。そんなに儲かっているわけでもなく、投資術というほどのものでもないが。

 

私の株取引は、父が残した遺産の中に株式があったため、しかたがなく始めた。とにかく、株の本を何十冊と読みながら自己流で始めた。ただ、多い時でも1週間に数度、間があくと数か月取引をしないこともあり、デイトレードなんてもってのほかだ。

父の保有する株の中には、けっこう値上がり益の含まれている銘柄もあったが、NTTドコモ(9437)のように最高値付近で購入した後、下げっぱなしの株もあって、こりゃーひどいと思った。塩漬けなのである。

 

私の好む銘柄は、ニトリ(9843)や朝日ネット(3834)といった、自分がよく知った地味目の企業である。けっして、ライブドアやソフトバンク(9984)などの派手な会社は買わない。朝日ネットは自分のプロバイダーだし、ニトリには買い物に行ける。   まずはスクリーニングで絞り込み、ROE自己資本利益率)、株主持分比率といった12項目ほどの、自分で作成した表でチェックを行い、あるレベル以上ないと絶対に買わないというルールを作った。

ただ、なかには新規上場で、チェック表を無視して購入した銘柄もある。次営業日には40万円強ほど値上がりしたので売ってしまったが、数日後には車が買えるほど値上がりしていた。そんな良き時代もあったのである。その企業はその後どうなったか、名前を聞かなくなったのでわからないが。

 

話を元へ戻し、チェック表で晴れて購入可のお墨付きをもらってもすぐには買わない。ポリンジャーバンドという指標を使って、株価がどのレベルにあるかを調べて、「-σ」以下にならないと買わないというルールを作った。株を始めたころは「MACD」という有名な指標を使っていて、これもわかりやすかったが、MACDというのはあくまで株価が過去に動いた結果しか表さない。ポリンジャーバンドという指標もわかりやすく、株価が「-2σ」から「2σ」のどの位置にあるか、確率論で教えてくれる。「-2σ」より安くはなりにくく、もちろん安くなってしまうこともあるが。とにかく損を限定できるのである。あと、2月、5月、8月、11月の初旬から中旬くらいまでは、買わない方がいい。とにかく下がる。今も下がっている。

(続く)