第2章 デフォルトの指標 ― 2011年08月17日 22時01分
いつもの日本国債の話に戻ると、『日本国 デフォルト』の「プロローグ」と「第1章」が終わったところです。次の「第2章-デフォルトの指標」は有料で、パブーのサイトで販売しているのですが、今日はせっかくなので、その一部を無料で公開します。
第2章 デフォルトの指標(一部)
それではデフォルトの時期を予想する指標の候補になりそうな日本国債の格付け、CDS、長期金利の3つを検討してみよう。
3番目は長期金利である。
長期金利と言うと、一般的に10年債の国債の金利だが、国債には20年債、30年債、40年債まである。[図表2―6]には、国債の種類別に発行方式・入札方式・譲渡制限などがまとめてある。6ヶ月・1年の短期国債から40年の超長期国債までバラエティーに富んでいる。
最低落札価格と平均落札価格の価格差のことをテール([図表2―8])と言う。テールが短いほど日銀(財務省)にとっては良い落札で、長くなると悪い落札になる。100円11銭が平均落札価格で、100円10銭が最低落札価格だとすると、テールは1銭となる。
テールというのは通常どれくらいなのか、財務省のデータを見てみよう。
10年債の場合、平成21年で最高が第298回号で17銭、通常は数銭程度だ。平成元年からだと、最高が平成15年の第251回号で、それでも90銭だ。この前後は長くても16銭以下で第251回号だけは突出しているので、特別な何かがあったのかもしれない。当然ながらテールが0(ゼロ)というときもある。それは平均価格と最低価格が同じで、落札価格がすべて同じ1つの価格なのだが、それを見た財務省の担当者が喜んだかはわからない。
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